くいしばり対策でお口の中をマッサージ!?これ肩もみと同じです

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くいしばり対策でお口の中をマッサージ!?これ肩もみと同じです

2019/12/18

「食いしばりを治すには、意識して上下の歯を合わさないようにすること。」これは間違いです。

はっきり言います。最近、この情報に振り回されている方がよく来院されます。

・・・・・・・

「噛まないようにするためのマウスピースを作ってください」
という患者さんが来られました。テレビか何かで噛まないようにすれば肩こりや腰痛が治るという話を聞いたそうです。
そして、噛まないようにするには「意識して噛まないようにすること」と説明していたそうで、何日か頑張ってみたようですが、イライラして症状が悪化してきたそうです。そこで、マウスピースを入れれば噛まなくなるのだろうと考えたみたいです。
ここでいう「噛む」ということは食事の時の咀嚼という意味ではなく、くいしばりや歯軋りのことを言っているのだと思います。

歯軋りやくいしばりは無意識の行動であり、それを意識的に抑えようとすると、それはストレスになりイライラして当たり前です。
そもそもなぜくいしばりや歯軋りをしてしまうのかを考えてみましょう。
人がくいしばる時は力を出す時だということは理解していただけると思います。
しかし、無意識に何もしていない時、ましてや寝ている時にもくいしばってしまうのには何かわけがあるはずです。
そのわけは?
それは、身体のバランスです。
身体のバランスが悪ければ、その状態を支えようと脳は交感神経を働かせて必死で支えてくれているのです。
その結果が、くいしばりや歯軋りなのです。
もちろん身体を支えるために実際に働いているのは筋肉や骨格ですから、腰に痛みが出たり、肩の筋肉が張ったりするのも当然です。
そして、噛む筋肉も同じように身体を支えることに関連して働きますから、くいしばるのも当然だということです。

つまり意識して噛まないようにするということには無理があるということです。

また食いしばりに関わる筋肉のマッサージなどをして食いしばりを治そうという考えもあるようですが、これ肩こりに対する肩揉みと同じです。根本的な治療ではありません。

このように無理をしたり、対症療法を繰り返すよりも、身体のバランスを整えれば、くいしばりも歯軋りもなくなり、肩こりや腰痛も改善します。